【比較】ツンボのためのデフリンピックの歴史と障害者のパラリンピックとの違いは？

📅 開催期間と場所
「東京2025デフリンピック」は、2025年11月15日（土）から11月26日（水）までの12日間、主に東京で開催されます。開会式は11月15日、閉会式は11月26日に予定されています。

🏅 大会の特徴
デフリンピックは、国際ろう者スポーツ委員会が主催し、4年ごとに開催される聴覚障がい者のための国際総合スポーツ大会です。オリンピックと基本的に同じ種目や競技ルールが採用されていますが、聴覚障がい選手の状況に合わせて、スタートの合図にランプを使用したり、審判が笛の代わりに旗を使ったりするなどの視覚的な配慮や工夫が凝らされています。

🌍 参加と競技
約70～80の国と地域から約3,000人の選手が参加し、21競技が行われる予定です。中国からは陸上、バドミントン、ボウリング、自転車(ロード)、オリエンテーリング、水泳、卓球、テコンドー、テニスなど約100人の選手が出場予定で、ボウリングとオリエンテーリングは初出場となります。

具体的な会場については、東京体育館などで競技が行われるほか、自転車競技（ロード・マウンテンバイク）は静岡県の日本サイクルスポーツセンター（伊豆市）で開催され、観戦は無料です。

📣 注目と取り組み
デフリンピックの開催に先立ち、東京都立大学は公式YouTubeチャンネルでデフスポーツ関連動画を公開し、大会への機運を高める活動をしています。また、JTBの新入社員の中には、今大会のバレーボール競技に出場する選手もおり、仕事と競技の両立に挑戦しています。

デフリンピックとパラリンピックはどちらも障がい者のスポーツの祭典ですが、参加対象となる障がいの種類や歴史的背景、運営組織、そして競技中のコミュニケーション方法に大きな違いがあります。

🧑‍🤝‍🧑 参加対象の障がい
デフリンピックは聴覚に障がいのある選手のみが参加する大会です。一方、パラリンピックは身体障がい（視覚障がいを含む）や知的障がいのある選手が対象で、聴覚障がい者の競技種目はありません。そのため、聴覚障がい選手はパラリンピックには参加できないんです。

🕰️ 歴史と運営組織
デフリンピックは1924年にパリで初めて開催され、パラリンピック（1960年以降）よりも長い歴史を持っています。デフリンピックの運営は国際ろう者スポーツ委員会（ICSD）が行っており、パラリンピックを運営する国際パラリンピック委員会（IPC）とは別の組織です。

かつてはICSDもIPCに加盟していましたが、デフリンピックの独自性を追求するために1995年に脱退しました。デフリンピックは、ろう者仲間での記録向上を重視する考えから始まり、ろう者の国際的な連帯や文化を象徴するイベントとしての意味合いも持ち合わせています。

🗣️ コミュニケーションと競技の工夫
デフリンピックでは、コミュニケーションの全てを国際手話で行うことが特徴です。各国の手話は異なるため、国際交流を通じて世界共通の手話が作られてきたんですよ。

競技においては、スタートの合図や審判の声など、音による判断ができない選手のために様々な視覚的な工夫が凝らされています。例えば、陸上競技や水泳のスタートではフラッシュランプが使われたり、サッカーやラグビーでは審判が笛と同時に旗を揚げたりすることで、視覚的に情報を伝えています。これにより、オリンピックと同じルールで競技が行えるよう配慮されています。

デフリンピックが聴覚障がい者に特化した大会であるように、障がいの種類や特性に合わせた国際スポーツ大会を調べてみました。

スペシャルオリンピックス
　知的障がいのある方のための国際的なスポーツ大会です。オリンピックと同じように4年に一度、夏季大会と冬季大会が開催されています。この大会の大きな特徴は、記録向上だけでなく、日々のトレーニングやスポーツ活動を通じて自己を成長させることを重視している点です。また、参加した全てのアスリートが表彰され、全員にメダルやリボンが贈られるんですよ。

アジアパラ競技大会
　アジア地域の国々が参加する総合競技大会です。1975年から開催されていたフェスピック（極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会）を引き継ぐ形で、2010年から4年ごとに開催されています。パラリンピックと同様の競技が行われる、アジア版パラリンピックとも言える大会です。

各障がい種別の世界大会
特定の障がいに特化した世界大会も開催されています。例えば、視覚障がい者のためのIBSA（国際視覚障がい者スポーツ連盟）世界選手権大会や、知的障がい者のためのINAS（国際知的障がい者スポーツ連盟）グローバル競技大会などがあります。これらの大会は、それぞれの障がいの特性に合わせたルールや工夫が凝らされており、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるように配慮されています。